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聖書の学び
Title
第11課「神の力を行ったエリヤ」
Speaker
堂会長 イ・ジェロク 牧師
Bible
Date
2016-02-25
読むみことば: 第一列王18:41_46
覚えるみことば: 箴言18:12
参考にするみことば: 第一列王18:19_24
教育目標: いつもへりくだって自分を低くし、信仰によって従っていくことによって、生ける神の力を思う存分現す御霊の戦士になるようにする。
エリヤはB.C.9世紀頃、偶像礼拝がはびこっていた北イスラエルのアハブ王の時に活動した預言者です。彼は異国の神に仕える八百五十人のにせ預言者と対決して、信仰によって天から火を引き下ろしたし、切なる祈りで三年半の間日照りだったイスラエルに大雨が降るようにしました。ツァレファテのやもめから一口のパンを養われて、日照りが終る時まで糧が尽きない祝福を与え、死んだ子どもを生き返らせたりもしました。また、ヨルダン川を分けるかと思えば、先の事について明らかに預言したりもしました。ついに生きたままたつまきに乗って天へ上って行きました。
それでは、エリヤはどんな良い心を持っていたので、神から驚くべき御力を授かって行い、死を見ることのないように天へ上げられる祝福を受けたのでしょうか。
1. 非常にへりくだって誰ともぶつからない心
エリヤはもともと非常に柔弱な性分でした。自分は欠けていて自慢するようなものがないと思い、自信のない姿でした。どんな状況でも自分を主張したり、自分の意見を貫徹させようとしませんでした。非常にへりくだった心を持っていたので、誰ともぶつかったり、平和を壊したりすることがありませんでした。
ややもすればこの姿は優柔不断に見えることもありますが、霊的に変えられれば、大預言者に成長できる基礎になったのです。神はエリヤの謙遜さを高く評価して、練られて大預言者として出て来るようになさいました。
モーセや使徒パウロの場合は、変えられる前も非常に大胆で能力のある人だったので、神の働き人として用いられるまで、自分を徹底的に無にして低くする過程が必要でした。
しかし、エリヤは錬られて心が低くなったのではなく、もともと性分が非常に柔弱で、自尊心や自分を叫ぶ心がありませんでした。神がお召しになった時も「欠けたところの多い私がどうやって果たせるだろうか。神様の働きを台無しにしてはいけないのに…」という恐れがありました。このような柔弱さが霊的に変えられてこそ大預言者として用いられることができるので、神は彼が試練に会うようになさいます。
エリヤが活動していた時代は、イスラエルの悪い王として指折り数えられるアハブが治めていた時期でした。アハブ王の父親オムリは軍事的、商業的な同盟のため、バアルに仕えるシドンの王の娘イゼベルをアハブと政略的に結婚させます。この時イゼベルが持ち込んだバアルが民に広まり、全国が偶像礼拝に陥ってしまいました。
これによってどれほど神の御怒りが激しかったのか、さばきが臨んで二、三年の間その地に露も雨も降りませんでした。神はこのようなことをアハブ王に伝えよとエリヤに最初の使命を与えられます。アハブ王の反応はどうだったでしょうか。その言葉を聞いて悔い改めるどころか、かえってエリヤを捕らえて殺そうとします。これをご存じだった神はエリヤにケリテ川のほとりに身を隠すようにされ、烏を通してパンと肉とを与えてくださいました。
しばらくして日照りでその川が枯れると、神はエリヤをシドンに住んでいるツァレファテのやもめのところに行くようになさいます。そこでエリヤはやもめから最後に残った糧である一口のパンで養われ、日照りが終る時まで糧が尽きない祝福を受けるようにしてあげました。
日照りが始まって三年半ぐらいになったとき、神はエリヤに雨を降らせるから、またアハブ王に会いに行けと言われます。アハブ王はイスラエルに臨んだ日照りがエリヤのせいだと思っていたので、もしエリヤが王の前に行ったら、まかり間違えば命を失うこともありえました。心が柔弱なエリヤがこのような神の命令に聞き従うのは決してたやすいことではありません。
エリヤは神の命令どおりアハブ王の前に出て、神のみこころを明らかに伝えます。日照りの原因は王と民の偶像礼拝のせいだというのです。そして、偶像に仕えるにせ預言者たちとの対決を提案しさえします。カルメル山で火の答えを与える神がまことの神であることを明らかにしようということでした(I列18:19_24)。
八百五十人のにせ預言者と偶像礼拝に陥った民、そして自分を殺そうとする王が見ている中で、エリヤひとりで出なければなりません。もし火の答えを受けられないなら、エリヤはその場で命を失うこともありうるところでした。しかし、彼は神を全面的に信頼したので、自分の柔弱さを打ち砕いて大胆に行えたし、結局火の答えを引き下ろして、創造主の神だけがまことの神であることを証ししました。
2. 神と交わり、ただ信仰によって従う心
エリヤが柔弱さを克服して大胆に従えた理由は、いつも神と交わっていたからです。自分は欠けているので、いつも神と交わることに努めて、みこころを正確に悟ろうとしました。自分は何もできないというへりくだった心でいつも神の御前に求め、何でもおできになる神の力を頂くために努力しました。
これによってエリヤは自分の柔弱さを克服し、神がお与えになる大胆さと力、そして信仰によってゆだねられた使命を完全に果たすことができました。このような体験をしながら、彼は人の思いでは不可能に見えることも、神がともにおられれば十分にできるという信仰がさらに固くなりました。かと言って、一気に柔弱さから抜け出せたのではありませんでした。錬られながらも神と交わっていたので、結局は神に力づけられて、信仰によって神の栄光を大いに現すことができました。
カルメル山で火の答えを受けたエリヤはバアルの預言者たちを全部捕らえて殺し、「激しい大雨の音がする。」と預言した後、山の頂上に登りました。そして、神の答えのしるしが現れるまで、七度も切に主を呼び求めました。結局、彼の祈りで海のほうから人の手のひらほどの小さな雲が現れました。彼はすぐ大雨が降ることがわかったし、その信仰のとおり、しばらくすると激しい大雨となりました。このようにエリヤが大いなる神の力を現せたのは、自分にはできないが神にはおできになるという堅い信仰によって、みこころに聞き従ったからです。
ただ信仰によって従ったエリヤを通して、神は霊の空間だけで可能なことを施してくださいました。人が車より速く走るみわざが現れたのです。<第一列王18:45_46>に「しばらくすると、空は濃い雲と風で暗くなり、やがて激しい大雨となった。アハブは車に乗ってイズレエルへ行った。【主】の手がエリヤの上に下ったので、彼は腰をからげてイズレエルの入口までアハブの前を走って行った。」とあるとおりです。
神は全知全能のお方なので、あえて能力の多い人を捜す必要がおありになりません。神の摂理を成し遂げるために人を選ばれるとき、自分を目立たせないでただ神のみこころを伝え、その方の力をそのまま現す人を捜しておられるのです。
人の心を器とすると、その器の中に自分がたくさん入っていれば、神の力をたくさん入れることができません。仮に神が力を注いでくださるとしても、器の中に自分が入っていたら、どうして純粋な神の力を発揮できるでしょうか。したがって、神が捜しておられる器は自分が完全に無になった清い器、心がへりくだった器なのです。自分が完全に無になった清い器だとしても、底の深い器にたくさん入るように、自分の心をへりくだって低くすればするほど、神の力がさらに臨むようになります。
エリヤはこの二つの条件をどちらも備えていました。彼は神に召される前も自分を全く主張しなかったし、誰ともぶつからなくて平和を保ちました。また、自分は何もできない欠けの多い人だと心から告白して、いつも神との交わりを断たなかったのです。
このように自分を無にして低くする心がまさに神がお認めになる善であることを悟って、へりくだって自分を低くすることによって神の力を思う存分現す道具になりますように。また、神と絶えず祈りによって交わって、霊的な大胆さを備えますように。
* まとめと適用
1. ()の中に合う言葉を入れてください。
①エリヤ非常に()心を持っていたので、誰ともぶつかったり、平和を壊したりすることがなかった。
②エリヤが柔弱さを克服して大胆に従えた理由は、いつも神との()を絶たなかったからだ。
2. カルメル山で異国の預言者八百五十人と競って、火の答えを受けることによって生ける神を証しした預言者は誰でしょうか。
* 今週の課題
エリヤは死を見ることのないように天に上げられました。エリヤのどんな心と行いがこのような祝福を受けたのでしょうか。第二列王記2章を読んできましょう。
* 「人物」を知って力にしましょう
「アハブ王」とはどんな人物か
北イスラエルの王の中で悪い王として有名である。バアルを拝むシドンの王の娘イゼベルと政略結婚をして、バアルのために祭壇を築き、アシェラ像を造って、神の激しい御怒りを招いた。また、ナボテを殺して彼のぶどう畑を取り上げるなど、曲がった罪を犯したので、「アハブに属する者で、町で死ぬ者は犬どもがこれを食らい、野で死ぬ者は空の鳥がこれを食らう。」(I列21:24)とあるように呪いが臨んだ。
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