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メッセージ >
聖書の学び
Title
第29課 「悪い感情を持ってはならない」
Speaker
堂会長 イ・ジェロク 牧師
Bible
Date
2009-07-17
読むみことば: ローマ12:19-21
覚えるみことば: ローマ12:21
参考にするみことば: 詩篇37:8
教育目標
自分の心を制して、善をもって悪に打ち勝ち、断食と祈りで神のさばきにゆだねてこそ答えられることを悟る。
人に対していだく悪い感情の代表的な現れは、つぶやいたり怒ったりすることです。私たちの周りを見れば、この感情を制することができなくて、互いに悪く思ったり、怒ったり、敵同士になる場合もあります。また、復讐するために悪を行ない、互いに苦しめたりもします。もしかして、皆さんはこのような感情のために親と子ども、兄弟と友だち、同僚と隣人との間で、互いに対立してはいないでしょうか?
1. 自分で復讐してはいけない理由
<ローマ12:19-20>に「愛する人たち。自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。それは、こう書いてあるからです。『復讐はわたしのすることである。わたしが報いをする、と主は言われる。』もしあなたの敵が飢えたなら、彼に食べさせなさい。渇いたなら、飲ませなさい。そうすることによって、あなたは彼の頭に燃える炭火を積むことになるのです。」とあります。
神はさばきを行なう権を私たちの主イエス・キリストに与えられたので(ヨハネ5:27)、主のほかにはこの世のどんな人もさばく資格がないからです。<マタイ7:5>でも、イエス様が「偽善者たち。まず自分の目から梁を取りのけなさい。そうすれば、はっきり見えて、兄弟の目からも、ちりを取り除くことができます。」と言われ、神に認められる正しい方はイエス・キリストのほかにこの世の中にひとりもいないので(ローマ3:10)、私たちにはさばく資格がありません。
それなのに、世の人はもちろん、神を信じる人々の中にも、自分だけ正しくて相手は正しくないと、罪に定めることがたびたびあります。律法を下さった方は神なので、私たちが裁判官になって、兄弟の悪口を言ってさばくことは高ぶりであり、大きい罪です(ヤコブ4:11-12)。さばきを行なう権は、傷もしみもなく、罪が全くない主にだけあるので、私たちは誰かをさばいても、復讐してもいけません。私たちができることは、自分で復讐するのではなくて、さばきの日に主が報いてくださることを信じて、ただ主に頼って、父なる神にゆだねることだけです。
2. 心にある悪から出てくる感情を制して、すべてを主にゆだねなければならない
それでは、私たちがどうすればこのような感情を制することができるのでしょうか? <マタイ5:39-42>に「しかし、わたしはあなたがたに言います。悪い者に手向かってはいけません。あなたの右の頬を打つような者には、左の頬も向けなさい。あなたを告訴して下着を取ろうとする者には、上着もやりなさい。あなたに一ミリオン行けと強いるような者とは、いっしょに二ミリオン行きなさい。求める者には与え、借りようとする者は断わらないようにしなさい。」とあります。このような心をもって相手を理解して包み、受け入れる人になってこそ、悪から出てくる感情を制することができます。真理のみことばに従ってひたすら理解し、包み、受け入れていけば、争いやつぶやき、嘆きが出てきません。
ほかの問題も同じです。<ローマ12:21>に「悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい。」とあるように、相手が悪を行なうとき、悪をもって報いるのではなく、善をもって話をして行なえば、十分に悪に打ち勝てます。感情が激しくなって、争ったり嫌って悲しんだりしないで、感情を制する賢い人にならなければなりません。
ダビデ王が自分の息子のアブシャロムの反乱のために逃げている時のことです。サウルの家の一族のシムイという人がダビデ一行について来て、盛んに呪いの言葉を吐きながら石を投げつけました。一国の王に対してこのようなことをしたので、殺されても当然でしたが、ダビデは自分が過ちを犯して、神の御前に懲らしめられて練られていたので、彼を赦しました。その後、ダビデは彼の息子のソロモンに遺言を残して、結局、彼を殺させます(第一列王2:9)。
ダビデ王がそこまでしなくても、シムイは悪を積んだ悪い者なので、当然その悪ゆえに滅ぼされる人でした。ですから、新約時代にはそんなことさえも神にゆだねなさいということです。つまり、自分で復讐しないで、神の怒りに任せなさいということです。
それでは、サウル王の場合はどうだったでしょうか? ダビデがペリシテ人を打って帰って来たとき、女たちが出てきて歌い、喜び踊りながら「サウルは千を打ち、ダビデは万を打った。」とくり返して歌いました(第一サムエル18:6-8)。
このことばを聞いて、サウル王は非常に怒りました。心の中にダビデに対するねたみが起きて悪が動きだし、それが悪い感情を生み、ダビデを殺そうとつけねらい、結局は神に捨てられてしまいました。
このような場合とは違って、聖書のあちこちには、自分がさばくのではなく、神にゆだねた時に神ご自身がさばかれた出来事が記されています。エステルとモルデカイがその例です。ペルシヤ帝国の首長のハマンは、モルデカイというユダヤ人が自分にひれ伏そうとしないのを見て、憤りに満たされてユダヤ人を根絶やしにしようと計略をめぐらせ、王の命令まで受け取ります。するとモルデカイと、ユダヤ人として王妃になったエステルは、ただ断食しながらこのことを神にゆだねました。そして、王の前に出て、落ちついて賢くこのことを嘆願しました。すると、神が働いてすべてをさばかれました。ハマンがモルデカイをかけようと自分の家に立てておかせた柱に、自分自身がかけられて死に、ユダヤ人を根絶やしにしようとした敵が、かえって根絶やしになったのです。
新約時代も同じです。ヘロデ王が教会を迫害して、使徒ヤコブを剣で殺し、また、ペテロを捕えて牢に入れても、教会は復讐しようとしませんでした。ただ、牢に閉じ込められていたペテロのために、神に熱心に祈り続けていました。神はその祈りに答えてくださいました。主の御使いが牢に現れて、ふたりの兵士の間で、二本の鎖につながれて寝ていたペテロを起こして、牢の外に出してくれたのです。朝になって、ペテロが牢にいないことを知ったヘロデは、番兵たちを処刑するように命じます。ヘロデがこのように悪を行なった結果、主の使いが彼を打って、虫にかまれて息が絶えました(使徒12:23)。神のさばきに任せたら、直接さばかれたのです。
3. 善をもって悪に打ち勝たなければなりません。
感情的になることは、本当に私たちにとって何の利益にもならないことが見られます。夫婦の間でも、兄弟の間でも、聖徒の間でも、感情的になったとき、我慢できなくなると、大変な誤解と争いを呼び起こし、ひどければ敵意をいだくようになります。政治や歴史でも同じです。
したがって、家族や、隣人や、職場でも、いろいろなところで相手が自分に害を及ぼす時に、同じようにぶつかるのではなく、善をもって悪に打ち勝たなければなりません。善を行なえば、その結果は美しい実を結び、また、神がさばいてくださいます。それだけでなく、神は善を行なった人に祝福を与えて栄えるようになさり、かしらとなるようにして、上におらせられます。
神の子どもである私たちは真理のとおりに行なわなければなりません。悪い感情を制して、ただ祈りと願いによって、また、断食によって、神の御前に心を注ぎ出し、その方にゆだねなければならないのです。すると、その結果は神がさばかれて、悪い相手がひざまずくようになさいます(詩篇37:7-9、62:12)。したがって、善であれ悪であれ、すべてをご存じの父なる神が、そのしわざに応じて正しくさばかれるので、すべてを神にゆだねる賢い者にならなければなりません。
イエス様も、復讐する力があったにもかかわらず、ただ神に祈ってゆだねられました(第一ペテロ2:22-23)。イエス様の弟子たちも、迫害されたとき、ただ神に祈ったと聖書は記しています(使徒7:60)。
私たちはどうでしょうか? 誰かが気を悪くさせれば、顔が赤くなって怒っているのではありませんか? このような悪い感情を制して、ただ祈りですべてのことを主にゆだねれば、神が大きい祝福を与えてくださいます。どこでもキリストの香りを放って、はいるときも祝福され、出て行くときにも祝福され、貸すであろうが、借りることはなく、家庭、職場、事業の場など、すべての所で祝福されます。
したがって、神と自分との間に、あるいは他の人との間に、悪い感情をもって敵対することはなかったか、顧みなければなりません。また、自分の目には梁があるのに、裁判官になってさばいたり、兄弟の目のちりを取ろうとしたりすれば、高ぶりになって神にふさわしくありません。すべてのことを正しい神にゆだねて、ただ愛の心をもって善を行ない、神に祝福されて栄光をささげられますように。
* まとめと適用
1. <ローマ12:21>をみんなで覚えてみましょう。
2.私たちの生活の中で、人に対して悪い感情を制することができなくて苦しんだことと、御霊による思いをして安らぎを感じたことを探してみましょう。そして、これからはこのような感情を制して、御霊による思いだけに従ってみましょう。
3. 悪い感情を捨てるべきことがわかっていても、相変わらず持っているものはないか、思い出してみましょう。そして、それが捨てられるように、聖霊様の恵みを求める祈りをしてみましょう。
* 今週の課題
信仰には( )の信仰と神の望まれる( )の信仰があります。( )の中に言葉を入れてみましょう。また、その二つをよく表している聖書箇所はどこにあるでしょうか?
* 「用語」を知って力にしましょう!
「梁」とは?
構造物の上からの重さを支えるため、または柱をつなぐために渡す水平材。今日では、ふつう木材、鉄、鉄筋コンクリートで作る。「自分の目の中にある梁は見られなくて、人の目の中にあるちりを見る」(マタイ7:5)とは、自分の大きな過ちは見られなくて、人の小さい過ちだけをとがめて責めることをたとえたのである。
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