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創世記講解
Title
創世記講解(94)
Speaker
堂会長 イ・ジェロク 牧師
Bible
創 5:4-32
Date
2012-12-21
[本文]
[創世記5:4-32]
「アダムはセツを生んで後、八百年生き、息子、娘たちを生んだ。アダムは全部で九百三十年生きた。こうして彼は死んだ。セツは百五年生きて、エノシュを生んだ。セツはエノシュを生んで後、八百七年生き、息子、娘たちを生んだ。セツの一生は九百十二年であった。こうして彼は死んだ。エノシュは九十年生きて、ケナンを生んだ。エノシュはケナンを生んで後、八百十五年生き、息子、娘たちを生んだ。エノシュの一生は九百五年であった。こうして彼は死んだ。ケナンは七十年生きて、マハラルエルを生んだ。ケナンはマハラルエルを生んで後、八百四十年生き、息子、娘たちを生んだ。ケナンの一生は九百十年であった。こうして彼は死んだ。マハラルエルは六十五年生きて、エレデを生んだ。マハラルエルはエレデを生んで後、八百三十年生き、息子、娘たちを生んだ。マハラルエルの一生は八百九十五年であった。こうして彼は死んだ。エレデは百六十二年生きて、エノクを生んだ。エレデはエノクを生んで後、八百年生き、息子、娘たちを生んだ。エレデの一生は九百六十二年であった。こうして彼は死んだ。エノクは六十五年生きて、メトシェラを生んだ。エノクはメトシェラを生んで後、三百年、神とともに歩んだ。そして、息子、娘たちを生んだ。エノクの一生は三百六十五年であった。エノクは神とともに歩んだ。神が彼を取られたので、彼はいなくなった。メトシェラは百八十七年生きて、レメクを生んだ。メトシェラはレメクを生んで後、七百八十二年生き、息子、娘たちを生んだ。メトシェラの一生は九百六十九年であった。こうして彼は死んだ。レメクは百八十二年生きて、ひとりの男の子を生んだ。彼はその子をノアと名づけて言った。『主がこの地をのろわれたゆえに、私たちは働き、この手で苦労しているが、この私たちに、この子は慰めを与えてくれるであろう。』レメクはノアを生んで後、五百九十五年生き、息子、娘たちを生んだ。レメクの一生は七百七十七年であった。こうして彼は死んだ。ノアが五百歳になったとき、ノアはセム、ハム、ヤペテを生んだ。」
愛する聖徒の皆さん、「創世記講解」九十四回です。
[創世記5章]には、アダムからアダムの10代目のノアまでの系図があります。アダムがエデンの園からこの地上に追い出された時から約1600年間の記録です。そのうち130年については、前回説明しました。この時間はその後の歴史を調べてみましょう。
本文を見れば、アダムからノアまで十人が、何歳で誰を生んで、何歳まで生きたという記録があります。今から4千年もはるか前のことが、聖書にはこのように詳しく記されているのです。これは、聖書がどれほど正確な事実を語っているのか知らせてくれます。
また、人間耕作六千年の歴史の流れを把握することもできます。アダムがこの地上に定着した時からノアが死ぬまでは、約二千年です。これは人間耕作の歴史の三分の一に当たる期間です。これを便宜上、「人類初期の歴史」と言います。世界のどの本にも、この期間の記録がこのように詳しく残っているものはありません。ところが、聖書には正確な記録が残っているのです。きょう、この期間に生きていた人々について説明するとき、聖書がまことであることを心に刻みますように。
聖徒の皆さん、本文にある十人のうち、エノクを除いてほかの九人の平均寿命を計算してみれば、約912歳です。エノクを除いた理由は、彼がこの地上で死を見ることなく、365歳で天に移されたからです。また、本文に「ノアが五百歳になったとき、ノアはセム、ハム、ヤペテを生んだ。」とありますが、[創世記9:29]には「ノアの一生は九百五十年であった。こうして彼は死んだ。」とあります。当時はこのように平均寿命が900歳を超えていたのです。今日では想像もできないほど寿命が長かったのです。
ところが、大洪水の後に生まれた人の寿命は、これに比べて非常に短くなりました。洪水以後、約千年が流れた時点、すなわち、モーセが生きていた時代には、平均寿命が70-80歳になりました。まさにモーセが書いた[詩篇90:10]に「私たちの齢は七十年。健やかであっても八十年。しかも、その誇りとするところは労苦とわざわいです。それは早く過ぎ去り、私たちも飛び去るのです。」とあります。それから今日まで、人間の平均寿命はその範囲から大きく外れなかったのです。
去る7月16日、韓国保健産業振興院は、韓国人の平均寿命が男は77歳、女は84歳と発表しました。今日、医学が発達したとはいえ、100歳以上生きる人は珍しいです。70-80歳まで生きるとしても、その歳まで健康に生きる人も多くありません。
それでは、人類歴史の初期とは違って、ノアの洪水以後はどうしてこのように寿命が縮まったのでしょうか? 根本的な理由は人間の「罪」です。アダムがエデンの園で生き続けたなら、永遠に生きることができました。寿命が無限大です。しかし、不従順の罪を犯した結果、この地上に追い出されてから、限られた寿命になりました。まさに「罪から来る報酬は死」という霊の世界の法則に従って、肉の世で一時生きて、結局、死を迎えるようになったのです。
アダムがこの地上にきて生んだ子孫も、永遠のいのちでなく、限られた寿命を持つようになります。もちろん、罪の問題が解決されなければ、霊的にも永遠の死に至るようになります。天国でなく、地獄に行くようになるのです。[ローマ5:12]に「そういうわけで、ちょうどひとりの人によって罪が世界にはいり、罪によって死がはいり、こうして死が全人類に広がったのと同様に、──それというのも全人類が罪を犯したからです。」とあるとおりです。
それでも人類の初期には、ほとんど900年ほどは生きることができましたが、この地上がだんだん罪に染まっていくにつれて、寿命も短くなりました。世の中に罪と悪がはびこるほど、人間の健康を脅かす要因が増えたからです。病気を起こす病原菌が生じて、自然災害ももっと頻繁に起こりました。このため人々は本来の寿命を全部全うせず、死ぬことが起こりました。それだけ人々は肉的な環境の影響をもっと受けるようになったのです。
そのうち、人間の寿命に決定的な影響を与えるきっかけになった「大洪水のさばき」が臨みました。[創世記6:5]を見ると「主は、地上に人の悪が増大し、その心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾くのをご覧になって」洪水のさばきを決められたことがわかります。
当時の洪水によって、地球が水の中に数日間も浸かるようになりました。その結果、地球の環境は大きく変わりました。その中で、特に大気層に大きい変化がありました。太陽の光に含まれた有害な成分が地球に到達しないように遮断したり、濾したりする大気層の機能が弱くなりました。その結果、人々は自然ともっと有害な環境に露出されました。
地球自体にも多くの変化がありました。自然法則が曲げられ始め、それによって自然災害や異常気候がもっと頻繁に発生したのです。このため人々は以前より危険な環境で生きるようになりました。その結果、人体はストレスをもっと受けるようになり、老化速度は速くなりました。また、病気を誘発する病原菌やウイルスは、さらに強くなりました。人のいのちをおびやかしたり短くする要素があちこちからたくさん生まれたのです。これらの要因が複合的に働いた結果、人の寿命は大洪水の後、急激に短くなりました。
ところで、これと共にもうひとつ知っておくべきことは、人の寿命の違いには先天的な要因もあるということです。すべての人が病気や事故のような外部の要因が排除された環境、言いかえれば、最適の環境で生きるとしても、それぞれの寿命は違います。これは、親から受け継いだ気と胎内に宿る時の条件や環境が寿命に影響を与えるからです。
まず人が胎内に宿るとき、どんな種と畑が出会ったかによって、各人の基本的な気質が決まります。強い気質を持って生まれて健康な人がいるかと思えば、弱い気質を持って生まれて虚弱な人もいます。知能も同じです。ある人は頭が良くて、ある人は頭が悪いです。これには先天的な影響もあります。性格も親のどんな種と畑が出会ったか、胎児だった時の環境がどうだったかにより、影響を受けることがあります。
神が特に誰かをかわいがって賢くて健康に生まれるようにしたり、誰かを憎んで虚弱体質に生まれるようにされたのではありません。神がみごもりの原理を定められ、人にみごもることができるように種を与えられたけれど、その「結果」まで決められたのではありません。赤ちゃんの性別や先天性障害の有無も、神がいちいち決めてくださるのではありません。どんな種と畑が出会うのか、みごもりの環境はどうだったかによって、結果が変わってくるのです。
人はこのような事実を知らないから、神を誤解して恨んだりもします。神が各人の運命をいちいちすべて決められたと思うのです。それで、苦境におかれたり不幸になれば、いつも天を恨みます。神は祝福と呪いが各人に臨む法則を定められただけです。「誰々は祝福されて、誰々は呪われる。」「誰々は長生きして、誰々は早く死ぬ。」「誰々は健康で、誰々は病気にかかる。」このようにひとりひとり決められたのではありません。誰でも神が決められた祝福の道を行けば、祝福されて健康になります。長生きなのか、短命なのかも同じです。
[箴言10:27]に、長寿の秘訣があります。まさに「主を恐れることは日をふやし、悪者の年は縮められる。」とあるのです。[伝道者の書8:13]にも「悪者にはしあわせがない。その生涯を影のように長くすることはできない。彼らは神を敬わないからだ。」とあります。
悪者は生まれつきの寿命も全うすることができないけれど、神を敬う人は長生きすることができます。神を敬う人は悪を憎んで、悪はどんな悪でも避けようとして、善良な生き方をします。神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知って、生きていきます。父なる神はこのような子どもたちを愛して喜ばれ、祝福に祝福を加えてくださることを、聖徒の皆さんは必ず覚えておきますように。
今まで説明した寿命について、もう一度総合して整理してみましょう。人類全体の平均寿命は、ノア時の大洪水のさばきを基点に、著しく縮まりました。平均寿命が900歳以上から徐々に70-80歳くらいに低くなりました。この根本的な原因は「罪」にあると言いました。一方、人によって寿命が違う理由は、先天的な要因もあると言いました。親から受け継いだ気や、胎児だった時の環境により、その程度が変わってくることもあります。そうであっても、神を敬う人はたましいに幸いを得ているほど健康であり、長生きする祝福をいただくことができます。しかし、悪者はほとんど生まれつきの寿命を全うすることができないのです。これを見ると、人類全体の平均寿命だけでなく、個人の寿命も、「罪」によって左右されることがわかります。
愛する聖徒の皆さん、それでは、平均寿命が900歳以上だった時代に、人々が感じた時間の流れの速さはどうだったでしょうか? 一日が過ぎる速さが、終わりの時の今と比べて早く感じられたでしょうか? 遅く感じられたでしょうか? ちょっと考えると「100年のうちの一日より、900年のうち一日のほうが短かっただろう」と思うかもしれません。実際の感じは反対でした。
一日24時間という絶対的な長さは昔も今も同じです。「一日」という時間は、地球がひと回りするのにかかる時間だからです。地球の自転速度は創造以来変わりませんでした。それで、長生きしていた人類の初期には、一日一日を余裕をもって過ごしました。ですから、この終わりの時と比べると、時間の流れが「遅い」と感じたのです。
反対に、世の終わりの日が近づいてくるほど、時間の流れがますます速くなるように感じます。実際、時間の流れが速くなったのではないけれど、人々は「時間が流れるのが本当に早い」と感じるという意味です。
今日、多くの人が時間に追われて生きています。生き方が多様で複雑になるにつれて、することが多くなって、忙しく過ごしています。そのうち、すぐ中年を過ぎて老年になり、人生の晩年に至ります。人類歴史の初期でも、今の終わりの時でも、時間の流れの速度は同じなのに、生きていく日が長いか短いかによって、相対的なスピード感が違うということです。
聖徒の皆さん、平均寿命900歳以上だった時は、歳月の流れが遅く感じられただけでなく、人間の発達過程もゆっくり進められました。人間の発達段階は、たいてい幼児期-児童期-青少年期-壮年期-老年期に分けられます。たとえば、1歳から6歳までは幼児期、7歳から13歳までは児童期と言います。このように年令によって人間の発達段階を分けます。これは平均寿命が100歳未満の今日の区分です。
それなら、平均寿命が900歳以上だった時代は、どうだったでしょうか? その当時の人々も、発達段階をみな経て、成長しました。すべての人が胎児、乳児、児童、少年、青年、壮年、老年の時期を経ました。当時も妊娠期間は今日と同じでした。ふつう妊娠期間は10か月と言われていますが、正確には280日です。みごもって出産するまでの期間は、昔も今も280日で同じです。
ところが、出生後の発達段階は違いました。各区間の長さが今日よりもう少し長かったのです。たとえば、幼児期、児童期、少年期が今よりもう少し長かったということです。特に青年期は、はるかに長かったのです。それで、うわべの姿だけを見たら、今の基準では少年と言えるのに、当時の基準ではまだ児童でした。また、今の基準では青年のように見えても、当時の基準ではまだ少年だったこともあります。当時は今より環境が良くて、のびのび成長したからです。
理解を助けるためにたとえで説明します。人の発達段階のうち、第2次性徴が現れる時があります。児童期を過ぎて思春期になれば、男らしい姿、女らしい姿に、身体にはっきりした変化が現れます。たとえば、男は声変わりして、女は初潮が始まります。人によって発育速度が違って、第2次性徴が現れる時も少しずつ違います。同じ14歳であっても、すでに声変わりした少年がいるかと思えば、まだ変わらない少年もいます。ところが、声変わりしたからといって、彼を成人だと認めるでしょうか? そうではありません。韓国の場合、満19歳になってこそ成人と認めます。人類歴史の初期には、たとえば30歳になって立派な成人の姿になったとしても、まだ青少年にすぎなかったのです。
最近はおもに20、30代で子どもを生みますが、その時は今よりはるかに年齢が高かったのです。これは、本文の記録を見るとわかります。セツからノアまで「代を継ぐ子ども」を生んだ年齢が書いてあります。それぞれ105歳、90歳、70歳、65歳、162歳、65歳、177歳、182歳で代を継ぐ子どもを生みました。もちろん、このように代を継いだ息子が初めての子でないこともあるという点は考えなければなりません。その息子より先に娘を生んだこともあって、すでに他の息子を生んだこともありました。
たとえば[15節]に、マハラルエルは六十五年生きて、エレデを生んだとあり、[18節]に、エレデは百六十二年生きて、エノクを生んだとあります。マハラルエルとエレデがそれぞれ子どもを生んだ年齢が、2倍以上差があります。エレデがエノクを162歳で生んだからといって、その前までは子どもをひとりも生まなかったのではありません。ただし彼が生んだ子どもたちの中で、162歳で生んだエノクが、代を継ぐ子に選ばれたのです。
次の時間にエノクについて詳しく説明しますが、エノクは兄弟がとても多かったのです。
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